【グラナパダーノができるまで】

切り分け包装や粉チーズにする作業まで機関の認可が必要なグラナパダーノですが、パルミジャーノよりは緩い製造基準でより多く生産が可能なためパルミジャーノよりお手頃な価格で流通しており、今や『キッチンのお供』としてどこの家庭でも常備される本場イタリアはもとより、世界の食卓には欠かせないチーズとなっています。

グラナ・パダーノチーズは厳密な規則に従って飼育、かつ生産地域内で育った牛の乳から搾乳し、絞ってから５～７時間休ませ自然分離によって一部のクリーム分を脱脂した牛乳を原料とします。イタリアは北部、エミリア・ロマーニャ州、ピエモンテ州、ロンバルディア州などのポー川流域のパダーノ平野で生産されている事からチーズの名前に地名である「Padano＝パダーノ」が付いています。12カ月以上の熟成が義務付けられているパルミジャーノ・レッジャーノに比べて熟成期間が9カ月～と短い分、塩分濃度が低く、味わいも穏やかなのが特徴です。休ませて脂肪分を抜いた牛乳を使うことによって、『粒状の』を意味するグラナという言葉通りポロポロとした食感に仕上がります。
一つのホールの重さは24キロから40キロと非常に巨大。直径は３５〜４５cmの側面に膨らみのある円筒形、長い熟成で水分の抜けた黄金色の表皮は硬く厚く、その厚さも４〜８mmの厚みがなければならないと規定されてます。製造の際に抜いた乳脂肪分はマスカルポーネチーズの原料になるそうです。

【グラナパダーノの美味しい食べ方】

口に入れたときに崩れていくグラナパダーノ独特の食感をお楽しみいただくには、包丁で切り分けるよりもスプーンなどで割るように切るのがおススメ。割ったグラナパダーノはチーズの中で結晶化しジャリっとした食感の旨味成分を感じやすく、そのままワインによく合います。

フルーツのジャムやはちみつ、煮詰めて甘みを出したバルサミコなどを付けてデザートチーズのようにしてもおいしいです。

お料理などで使う際、パルミジャーノチーズでは味が強すぎるといった場合にはピーラーで薄く削ったり、おろしたりしてサラダやパスタのトッピング、カレーやミネストローネ等のスープの隠し味にしたりと、とっても万能なチーズです。