2024/02/14 13:18

日本で手に入りやすく、有名な生ハムと言えばやはりスペインのハモンやイタリアのプロシュートですが、
いまひそかに注目を集めているのがフランス産の熟成生ハム『ジャンボン』。
今回はジャンボンの中でも当店で取り扱っている『ジャンボンドバイヨンヌ』について紹介をさせて頂きます。

そもそも生ハムは昔からヨーロッパ各地で伝統的に作られており、その土地の気候風土によって生ハムの特色が異なる非常に奥深い食品。
またその国の政府によって国内での産地や製法等を細かく規定することによってその品質と伝統を守ています。

有名なのはイタリアのプロシュット・ディ・パルマやスペインのハモンイベリコ・ベジョータ等ですが、
それらと同じように自然の穀物飼料で育てられた良質の豚もも肉を、バッサン・ド・ラドゥール(ピレネー山脈と
アドゥール川に囲まれた限定された地域)で100以上の規則に基づいて作られた生ハムがジャンボンドバイヨンヌなのです。

1000年以上前からジャンボンドバイヨンヌの生産地であるアドゥール川流域は大西洋とピレネー山脈の間に位置し、
大西洋からの湿った海風とピレネー山脈からの乾燥した冷たい風両方が吹くこの地域の独特の自然条件が
ジャンボン・ド・バイヨンヌの個性とマイルドなおいしさを生み出します。

また原料となる豚にも当然厳しい規定が設けられています。
原料豚はアキテーヌ、ミディ・ピレネー、ポワトゥー・シャラント地方の22県およびそれに隣接する県でのみ生まれ育ったものに限られ、
与えられる飼料、飼育密度等にまで細心の注意が払われ生産されています。

最高品質の豚肉から作られるジャンボンドバイヨンヌに特別な生産方法はありません。
豚肉とサリエ・ド・ベアルンの塩、そのシンプルな原料から最高の生ハムを作り出すための秘訣は素直さと伝統を尊重し、塩漬け乾燥する必須の工程を遵守すること、それだけです。


すべての伝統的製法、熟成の段階を終えたジャンボンは専門家による検査、評価が行われ、それに合格したものは証としてにローブリュ(バスク十字)とBayonneの文字が焼印されマーケットへと出荷されて行きます。

このようにその地域の気候に育まれ、伝統に裏付けされた生産工程と厳しい規定をクリアした当店のジャンボンドバイヨンヌは繊細でまろやかな塩味の、上品な旨味溢れる生ハムに仕上がっています。
食感も程よく噛み応えがあり、口に入れると生ハム特有の芳醇さが口の中に広がります。
まだまだ日本での認知度が少ないジャンボンドバイヨンヌ、生ハム好きな方に召し上がっていただきたい逸品です。