blog

2017/06/18 14:20

2019/03/10更新

今日ご紹介するのは日本でも非常に人気の高い美味しいチーズの代表格、ミモレット(Mimolette)

主にフランス北部、フランドル地方で牛乳を原料に作られるハードタイプチーズです!

今日はそのミモレットの特徴や美味しい食べ方をお伝えしていこうと思います。


月面のクレーターの様なボコボコした灰色の表皮に、中心に向かってグラデーションのような、目にも鮮やかなオレンジ色の綺麗な断面。このオレンジ色はアナトー色素という紅木(ベニノキ)の種子から抽出された天然の植物色素を使用しているためで、製法、見た目共にこちらも世界的に有名なオランダの“エダムチーズ”とほぼ同様。どちらのチーズもハードタイプの傑作と言われ世界中で愛されています。


ミモレットはエダムチーズと何が違う!?ルーツとその歴史

フランスでミモレットが作られるようになったのは17世紀ごろと言われています。当時オランダと戦争状態にあったフランスの時の財務総督コルベールが政策で、オランダのエダムチーズに高い関税をかけ実質輸入を禁止した事に始まるそう。それによってフランスに入らなくなってしまったエダムチーズを模して、代替品として生まれたのがミモレット。つまり元はオランダが発祥といわれる説が最も有力です。ミモレットの名前の由来はフランス語の『半分柔らかい』を意味する『ミ=モレ(mi-mollet)』から来ており、今ではフランスを代表するチーズになっています。


ミモレットとエダム共にその作り方は独特で、二つのチーズの美味しさの秘密はなんとシロンと呼ばれる生きたダニ(チーズダニ=コナダニの一種)の力を使って熟成させていること。表皮のボコボコした穴はダニ達がかじった跡、そこに付く粉もダニ達の食べ残しなんですね〜。チーズに付くカビを餌とするシロンの働きによって、カビによる乳脂肪分の分解を防いだり、表皮がボコボコすることによって表面積を増やし水分の量をコントロールするなどの役割があります。フランスではこのチーズから出た生きた粉を、次に作るミモレットに塗しているそうです。


ミモレットができるまで

ミモレットの原料は牛乳です。まず脱脂した牛乳を温め、そこに乳酸菌や酵素、アナトー色素を加えてミルクを固めます。その後撹拌や洗浄を繰り返し水分であるホエイを排出させた後、残った固形分(カード)を球状の型に詰めチーズを落ち着かせます。

形が安定したミモレットは型から外され、熟成の工程へと進み、表皮をブラッシングしたのちシロン(コナダニ)を付着させさらに熟成を重ねていきます。

ミモレットは熟成期間によっていくつかの呼び名があります。

◆jeune (ジュンヌ):2~6か月熟成 ※若いという意味

◆demi vieille(ドゥミ・ヴィエイユ):6~12か月熟成

◆vieille(ヴィエイユ):12~18か月熟成

◆extra vieille(エクストラ・ヴィエイユ):18~24カ月熟成

ミモレットジュンヌはいかにも若々しくセミハードくらいの柔らかさで、鮮やかな明るいオレンジ色が特徴。味もミルキーさ残ったクセのないマイルドなチーズ。人気があるのはやはりミモレットらしい濃厚な味わいが楽しめるヴィエイユ。色もジェンヌに比べて茶色がかった濃いオレンジ色となり、からすみを思わせる特有の旨味を持っています。当店のミモレットも18か月熟成のヴィエイユを販売しております。

ホール(カットされていない状態)のミモレットには生きたままのチーズダニが寄生していますが、コナダニは人を刺すダニとは違いアレルギーなどは起こらず、もちろんシロンが口から入っても人体に全く問題はないので安心してください。むしろ人体に害を及ぼすダニは全体の10%ほどしかおらず、エダムやミモレット以外にもドイツのアルテンブルガーチーズ等、ダニなどの微生物を使って熟成されるチーズは多種存在するんです!そのような微生物が生きているチーズはもちろん防カビ剤や防腐剤などの添加物を全く使っていない、より自然な環境で作られる100%ナチュラルなチーズですので、むしろ体にとっても安心といえるのかもしれませんね。

※当店のミモレットはカット後真空包装しておりますのでダニは生きておらず、熟成も18ヶ月で止まっております。


ミモレットの気になるお味は?

当店のミモレットは18ヶ月の熟成を経たヴィエイユ(Vieille 老成)と呼ばれるタイプ。

シロンが活発に活動、繁殖できるよう、しっかりとした温度管理のもとゆっくりと熟成させたミモレットの最高峰!長期熟成と共に水分が抜け、硬さと風味が増した非常に高級感のある味わい。しかしながら他の長期熟成タイプチーズにありがちな癖などは全くと言っていいほどありません。そのねっとりとした食感と濃厚な旨味、香りからカラスミに例えられる事も多く、ワインやウイスキーなどの洋酒はもちろん、日本酒や焼酎などとも最高のマリアージュを醸し出します。ぜひチーズにはワインという先入観を捨てて召し上がって見てください、新しい発見があると思います。


ミモレットの美味しい食べ方

ミモレットは切り方によって味の違いを楽しめるところもおすすめです。そのままお酒のおつまみとして召し上がる際は、スプーンやギザギザのついてないナイフなどで、1cmほどの塊に砕くように割って食べるのがいいでしょう。口の中でゆっくりと溶かしながら味わっていただくと、ミモレットならではの深いコクと香りを存分に感じていただけるかと思います。

包丁で薄くきってもGOOD!薄く切るとチーズの塩気も和らぎ、ミルキーさをより感じられます。サラダのトッピングにすれば鮮やかなオレンジ色のアクセントがテーブルを華やかに演出します。そのほかにも熱々のフライドポテトに薄く切ったミモレットを散らしても美味!熱が伝わり少し柔らかくなったミモレットも大変おいしく、ステーキの付け合わせにすればカジュアルなフレンチに。

保存中も徐々に水分が抜けて硬さ、風味が増すチーズなので、もし長い時間保存して硬くなりすぎてしまった際はおろし金でおろして、パスタなどに振りかけてもおいしいですよ!