2025/08/30 13:34

イタリア食材に付いている「D.O.P」とは?本物を見分ける重要なマーク
イタリア産のチーズや生ハム、サラミ、オリーブなどの食材についている「D.O.P」という3文字のアルファベット。
これは Denominazione di Origine Protetta(デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ) というイタリアにおける原産地名称保護制度の略表記です。当店で取り扱っている食材の多くにも、このD.O.Pのマークが付いています。
では原産地名称保護制度とは何なのでしょうか?
簡単に説明すると、ワイン、チーズ、生ハムなどの昔から作られている伝統的な食材・食品に対し、品質管理と産品保護のため生産地域を指定した上で、基準を満たすものにのみ特定原産地の名称を冠して販売を許可するヨーロッパ(EU)のEU法が規定している制度です。
対象となるのは:
- ワイン、チーズ、生ハム
- サラミ、ソーセージ、オリーブ
- ビール、パン、果物、野菜など
多岐にわたる食材が対象となっています。
制度設立の背景
この制度は1992年に欧州連合によって制定されました。目的は以下の通りです:
- 伝統やその地域に根ざした固有の食材などの品質認証
- 原産地名称を誤用や盗用などから保護
- 消費者に正しい情報を提供すること
D.O.P認定の厳格な基準
ただその地域で生産されているだけでは不十分です。以下の条件を満たす必要があります:
- その食品の特徴が生産地域の気候、環境特性等の自然的要因に由来すること
- 歴史の中で継承されてきた生産技術、職人の技量等の人的要因が関わっていること
これらの要因が全面的、または本質的に食品の特徴に由来している必要があるのです。
代表的な認定食品
- ゴルゴンゾーラチーズ:ゴルゴンゾーラ村で作られるチーズ
- プロシュット・ディ・パルマ:パルマ産生ハム
- シャンパン:シャンパーニュ産のスパークリングワイン
さらに厳しい例として、フランスのロックフォールチーズがあります。これはロックフォール=シュル=スールゾン産であることに加え、法律で規定された伝統的な製法まで守らないとロックフォールと名乗ることができません。
他の原産地認証制度との関係
D.O.Pは、より早くから存在していた各国の制度と同じ目的を有しています:
- フランスワインのA.O.C(原産地呼称統制制度)
- イタリアワインのD.O.C.G(保証つき原産地呼称統制)
現在はそれら各国独自の制度を統括するものとして並列されています。
消費者にとってのメリット
このD.O.Pマーク(イタリア以外の国ではP.D.Oとも表記される)は、消費者にとってその食材が検査機関、法律による厳密な規定に従って生産された食材であることを認定する、安心と安全を保障するマークでもあります。
おすすめの選び方
イタリア産やフランス産の食材を購入される際は、このD.O.Pマークの有無を一つの参考にしていただくことをおすすめします。
価格は確かに高くなる場合もありますが、何世紀にもわたって受け継がれてきた本物の伝統的な味を楽しむことができます。当店でもD.O.P認定の高品質な食材を多数取り扱っておりますので、ご不明な点がございましたらお気軽にお尋ねください。